54冊目:「古都」 著者:川端 康成
【遊びに来て頂きありがとうございます!】
なぜか、この暑い夏に「古都」を読むのがお決まりになっております。。。
不思議と清涼感のある小説なんですよね。
表現おかしいですけど、ゴクゴク飲めるみたいな。
川端先生の数ある作品の中でも、際立って秀逸な本作「古都」。
ノーベル賞受賞の一手にも起因した作品だとか。
京都を舞台に、双子の姉妹:千重子と苗子、そして家族の不思議な縁と運命が交錯していく物語となっております。
京都独特の街並みや、四季を織り交ぜ、派手さは決してないが、精錬された文章に、
何度読んでも引き込まれます。
娘の涙は明るさなど気にしていない。ともし火の方が、娘にきらきら宿っている。
小山の群れが、もやにつつまれたように、けじめを失ってゆく。
春のかすみとは、もちろん、空からしてちがう。
目の前にある光景を、ここまで表現できるところが、川端先生の凄さなんでしょうね。
この小説を読んで、無性に京都に行きたくなった私。
色々ネットで調べていくうちに、川端先生が小説を書く為に逗留していた旅館を発見。
「柊屋旅館」
日本三代旅館の一つとされる名店でございます。
なけなしの給料でしたが、頑張って貯金し、去年念願叶って川端先生が宿泊した旅館に泊まることが出来ました。
また、別の機会にこのときの様子をブログでアップします。
川端先生がこの京都で落ち着いて作品を完成出来たのも、納得です。。
この暑い夏、時には贅沢も少しぐらいいいでしょう。。
文化と教養を感じながら、「古都」をまだまだ味わいたいです。
それでは。