19冊目:「モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語」 著者:内田 洋子
【遊びに来て頂きありがとうございます!】
イタリア・トスカーナ地方にある小さな村、モンテレッジオ。
ミラノから3時間程、都会の喧騒から隔絶された山奥の村。村民わずか32人、内4名は90歳代の限界集落。
著者の内田洋子さん。イタリアに関わる仕事を始めてなんと40年にもなる。
このモンテレッジオを知ったのは、ベネチアを訪れた際、街の路地裏で見つけた古書店。多種多様な本が整然と並べられていた。
内田さん曰く、「何か勘が働いた」みたいだそうです。
店主と話をしていくうち、昔トスカーナ地方山奥の小さな村で行商をしていたという話に行き着きます。
「古本の行商・・?」
モンテレッジオとの出会いはここから始まったみたいですね。
その昔、1800年代、モンテレッジオの村民は都市部から離れた山奥の地もあり、生活していくにも困難を極めていた。何か、生活をしていくきっかけはないか??
最初は、砥石(といし)や祈祷に使うお札などを売っていたが、いつしか業者の在庫から本を譲りうけ、古本の行商に移り変わっていった。
1600年代に起こった宗教革命。当時のカトリックに疑問をもったルター。そして、活版印刷技術を編み出したグーテンベルク。
世界を変えたこの時代から、書籍の貴重性は年を追う事に増していく。
モンテレッジオ周辺でも、その潮流は染み渡り、人々は「知識」と「教養」を欲しがり、古本の行商が人々の「知恵」に繋がっていく。
網籠の中にはダンテ、活版印刷、禁断の書、ヘミングウェイなどの多様な本が入っており、遠い道のりを古本を売りさばいていく。
人々の生きていく糧・方法が、この「古本の行商」に辿り着く訳です。
書籍も5冊持つだけで結構な重さになると思います。
また当時の本は今みたいな紙とかではなく、羊皮紙などの素材が使用されており、
それも片手に売り歩く事は非常に大変なものだったと思います。
行商が当時の人々の文化・教養・知識を与え、イタリアにおける書籍の価値を高めていく。。。
改めて、「書籍」の持つパワーをこの本を読んで感じました。
それでは。
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