36冊目:「マーシイ」 著者:トニ・モリスン
【遊びに来て頂きありがとうございます!】
I have a dream
「私には夢がある」
1963年 この言葉が、一つの歴史を変えました。
歴史上最も有名な演説:アメリカ ワシントンでのマルティン・ルーサー・キングJr
が「自由」を勝ち取った言葉です。
キングが自由を掲げたちょうど30年後、黒人女性作家が初のノーベル文学賞を受賞します。
そうです。本日の書籍は作家:トニ・モリスンが書いた名著「マーシイ」でございます。
話は17世紀末、アメリカがまだ未開の植民地時代。
当時は黒人奴隷が横行した暗黒の時期。奴隷貿易や動産として黒人が「人間」としてではなく、「所有物」になっていた頃です。
奴隷の娘:フロレンスは、主人の借金の形として北部の農場主に譲り渡されます。
フロレンスの母が彼女を差し出すのです。
母の真意を考えると、どれだけ儚く・哀しみ・怒り・尊厳を持って差し出したか・・
ジェイコブという男性の農場で育ったフロレンスは、やがて自由な黒人の鍛冶屋と
恋に落ちます。
生きる権利さえない時代。自分の命は白人が所有しており、「自由」という言葉も存在しない。
その時代にフロレンスは「人間」としての価値を得たい、恋をし、「人間」みたいな生活をしたい。それだけなんです。フロレンスの夢は。
何を持っても、今の私達には分からない。
だけど、過去の歴史を知る事はできるし、それを後世に伝えていくことは出きる。
キングが自分と自分の家族を犠牲にしてまで、彼は黒人奴隷社会を変え、解放しました。それは、戦争などの争いを経た「自由」ではなく、彼の言葉が「自由」を得ました。
そのキングから数年後、モリスン自身が経験した歴史。その経験が文学賞を受賞し、歴史に文学作家として名を刻みました。
「小説」と「言葉」。
これからも世界の歴史を変えるのは、未来永劫この2つなのかもしれません。
それでは。