5冊目:「アノニム」 著者:原田 マハ
【遊びに来て頂きありがとうございます!】
小説「楽園のカンヴァス」「たゆたえども沈まず」「暗幕のゲルニカ」などヒット作を連発しておられる人気作家の原田マハさん。
その中でもお気に入りが本日ご紹介する「アノニム」。
香港を舞台に、アメリカ抽象絵画の先駆者「ジャクソンポロック」のアートを巡る物語。
窃盗団「アノニム」と高校生 張英才がポロックの絵画で「世界を変えよう」と壮大な計画を進めていきます。
アノニムもよくあるゴリゴリのマスクに穴目みたいな窃盗団ではなく、オシャンティな窃盗団って感じがいいですね。。。映画の「オーシャンズ11」的な(笑)
華麗なチームワークでポロックの幻の作品「ナンバーゼロ」を手にする。
そこには、アノニムと高校生の張英才の「アートで世界を変える」という想いが一致し、最後の結末を迎える。
原田さんの作品、全て共通して言えるのですが、文章構成が巧みで映画をそのまま見ているような感覚になります。
それでいて上下の波動というか、小説の動きで言えば、「小さな表現」と「大きな表現」で読む人を、「次は何?」みたいな期待感をもたせる仕上がりでいいなと思います。
「人類は、これまで私たちの想像を絶するようなクライシスに直面してきました。それでも、長い歴史の中で人類がアートを忘れたことは一度もありませんでした。だからこそ、何万年も前のアートが今も受け継がれているんです。その現実に、私はいつも励まされています。そんなアートを守ること、世界を変える力を秘めたアートを救うことが〈アノニム〉のミッションなんです」 原田マハ
ワタクシ、この作品でジャクソンポロックを知りまして・・・
それからというもの、ポロックの作品にハマリ、特大の額付きポスターを買ったりと虜になっております(笑)
ピカソのゲルニカも戦争の悲劇から生まれた作品。平和を訴え、人々の内なる声を代弁し、絵画の持つ力が世界を変えるものだと改めて感じました。
話は変わりますが、自分が死ぬまでに行きたい場所にニューヨーク近代美術館(MOMA)があります。
ポロックの作品があるからです。
それでは。