70冊目:「コロンブス 全航海の報告」 訳者:林屋 永吉
【遊びに来て頂きありがとうございます!】
彼自身が、記述した書簡などをまとめた貴重な文献でございます。
新大陸発見に至るまでの工程や、スペインでの資金調達逸話、女王イザベルとの折衝など、様々な過程が描かれております。
この書籍にもコロンブスの肖像画とサインがあり、どこかこの歴史上偉大な人物を身近に感じることが出来ます。
4回にも渡る航海の様子と成果、部下とのやりとりを読んでみると非常に面白いです。
コロンブスといえど、部下とのコミュニケーションも苦労しております。
どの時代も、中間管理職は本当に辛いもんですね。。(笑)
1回あたり未知の大陸を発見するのにも莫大な資金がかかります。
その資金を調達する為、コロンブスは国王に資金援助をお願いする訳です。
今で言う、宇宙開発費みたいな感じなんでしょうか。。
政府が国王、民間がコロンブスみたいな。
当時の国王女王イザベルは、コロンブスにかける事にします。
まぁ、これも視方を変えれば、投資になりますよね。
イザベル女王がコロンブス株式会社へ投資を行い、そのキャピタルゲインが、新大陸発見と、その後のスペイン繁栄を考慮すると、とてつもない利益を手にしたわけですね。。
コロンブスの部下思いの良さも書簡から受け取れます。
未開の地での作業、住環境、食など、当然疫病や、事故が起きます。
ここでも、コロンブスは国王宛に職場環境を改善するよう、申請していたり。
第二次航海では、「食人族」との出会いを報告しております。
カリベ族といい、三つの島に渡り居住しており、多種多様な武器を作り、島から島へと戦をしかけております。
このカリベ族、捕らえた人間をなぶり殺し、そのまま鍋にかけて食べていた事を記しております。これが大人に限らず、子供も同様にです。
このブログで全てのせるのにも躊躇う内容が刻々と記されております。
本当に「食人族」が実在していた内容を書簡しており、恐ろしき部族がいた訳です。
訳者の林屋さんが、コロンブスの偉業を讃えていた文章が大きな感銘を受けました。
ソ連の人工衛星が初めて打ち上げられたニュースを受け取ったとき、
世界の人々が受けたあの感動に似たものであっただろう。
さらに大きなものであったかもしれない。
誰も想像さえしていなかった島々、美しくて、しかも富に満ち、自分たちと同じ人類が住んでいる。
島々が発見されたことを知って、ヨーロッパの人々は感激に胸を膨らませ、新しい時代の幕開け生きる喜びを感じたにちがいない。