★人生は挑戦と破壊の繰り返し★

『自由な働き方』を目指す中年サラリーマン。紆余曲折な日々を、どうでもいい日記を綴っております。

42冊目:「眠れる美女」 著者:川端 康成

【遊びに来て頂きありがとうございます!】

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川端作品でも、かなり異彩を放つ本日の作品。

 

眠れる美女

 

「眠れる森の美女」となんか混同しちゃう。。みたいな(笑)

 

いやいや、川端先生の数ある作品の中でも、かなり「妖艶」な「エロティック」な作品なんですね。。。

 

主人公の江口老人。

 

海辺に佇む「秘密クラブ」で意識を失っている娘の側で一夜を過ごす物語です。

江口老人は娘達と戯れる事で、過去の思い出や、価値観、仏心的な悟りと重ねていくわけです。

 

前回も「山の音」でも記しましたが、川端先生の凄さが本作品にもありありと出ております。

人間の細かな動作、指の動き・顔の機微といったところを川が自然と流れるように、

滑らかに表現しております。

 

江口の指に触れた娘の歯は、指にほんの少しねばりつくものにぬれているようだった。老人の人差し指は娘の歯ならびをさぐって、唇のあいだをたどっていった。

 

これです。。私が言いたいのは。。

 

まず、この文脈から、江口老人の一連の所作が目の前で起きているかの如く、想像が出来ます。

そして、この素晴らしい文脈に加えて、「妖艶」さが付帯しているというか。。

 

指にほんの少しねばりつくものにぬれているようだった。

 

「ねばりつくものに」・・・ここです。こんな表現出来ます!?

 

ちいさい唇のなかに、どんな歯があるのだろう。江口は下唇のまんなかをつまんで少し開いてみた。唇のちいさいわりにこまかくはないが、まあこまかい、きれいにそろった歯であった。老人が指を離すと、娘はもとのようには唇をとじきってしまわなかった。

 

所作の時間にしたら、1秒2秒の動作だと思います。なのに、なんでしょう。これ程までに秒単位の動きを読み手に伝える妙技は。。。

 

もう、お腹いっぱいです。。(笑)

 

ちょっとお腹が減ったら、また川端作品から栄養を頂きたいと思います。。

 

それでは。

 

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