【人新世の「資本論」】 著者:斎藤 幸平
■遊びに来て頂き、ありがとうございます!■
今回ご紹介するのは、経済・社会思想家の斎藤幸平氏が記した「人新世 資本論」
かなり読み応えのある書籍でしたね~。。
昨今起きる異常気象や文明崩壊などにクローズアップしております。
予想を覆す雨量が人吉市を襲い、多くの人命、家屋を押し流しました。
しかも、こういった「豪雨」というのも、一度や二度に限らず、もはや
「100年に1度」レベルの異常気象が複数起きている感じが否めません。
今後もこの「100年に1度」レベルの災害が起きるのは、高確率というか、ほぼ100%
起きるのだと思います。ここまでくれば「100年に1度」という表現も当てはまらず、
「常時化災害」として、普段から防災意識を高めておく必要があるのだと感じます。
斎藤氏は、この異常気象の原因は、言わずもがな「二酸化炭素排出」によるものだと
喝破しております。
資本主義の帰結でもあり、「天災」ではなく「人災」なのだと。
石油・石炭・ガス・プラスティックなどによって、人類の文明が発達する過程で、生活の質は大きく飛躍し、便利な世の中になりました。
しかし同時にこういった過程は炭素放出を生み出し、大気中のオゾンを破壊し、
温暖化が起こります。
これは現代に限らず、ずうっ~と前の400万年~600万年前にも同じ現象が起きており、
今よりも10mも海抜が高かったという研究結果もあります。
当時、世界を支配していた生物も現在では生き残っておりません。
斎藤氏もこのまま、資本主義傾倒を続ければ、2050年迄には人類が生き残れるか??
そういった危機が既に今、迫っているのだと強く警鐘を鳴らします。
では、どうすればこれからの気候変動に対応していくのか?
『脱 成長経済』
今こそ、マルクスの資本論を模倣し、『現代版 資本論』にブラッシュアップ
する。
簡単に言うと、現在の生活レベルを大きく見直す。貨幣・経済・社会・福祉など
あらゆる現代生活基準を変える。
・平等
・コモンズの提唱(共有化)
・富の再分配
資本経済の元では、どんな気候変動対策を講じようとしても、解決しないであろう
と記しております。
脱成長経済を具体的策として、5つの柱を提唱しております。
①使用価値経済への転換(大量生産・大量消費からの脱却)
②労働時間の短縮(生活の質を向上させる)
③画一的な分業の廃止(様々な業務をこなす事により、仕事の充実感を与える)
④生産過程の民主化(何を?どれだけ?どうやって生産するかについて民主的に意思決定する)
⑤エッセンシャルワークの重視(※エッセンシャルワーク・・例 ケア型労働者(介護など)
待ったなし迄きている気候変動。去年起きた豪雨・森林火災・熱波・干ばつなど
もはや1年毎にその深刻さは加速度的に進んでいきます。
スウェーデンのグレタさんも、国連の場で怒りを露わにしました。
ワタクシ達は、未来により良い環境を残す義務があります。
これまで現代人が消費してきた結果が、現在の地球環境だから。
もぅこれ以上、何を人類は望むのでしょうか?
もはや何もこれ以上、必要はない。
これまで消費してきた恩恵を、逆に未来に生み出し、新たな世界を作り出す
時期なのだと強く感じました。
それでは。