64冊目:「絶望名人カフカの人生論」 著者:フランツ・カフカ
【遊びに来て頂きありがとうございます!】
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男、グレーゴル・ザムザ。
『変身』 カフカ
いきなりこの一文から始まるカフカの名著、変身。
あまりカフカに関して知らなかったワタクシは、この冒頭の箇所で、一発で興味を引き寄せられました。
本日のタイトルにあります、「絶望名人:カフカ」。
いいですね。このタイトル。
オーストリア=ハンガリー帝国のプラハで生まれます。
大学卒業後、労働災害保険協会で勤めます。
その際に経験した様々な「幻像」がカフカの大作に繋がっていきます。
カフカの父親からの影響も少なからずあったのでしょう。。
逞しく世渡りをしていく父親。その父親と自分とのあきらかな違いを見せつけられて
愕然とし、将来に絶望します。
倒れたままでいること。
将来に向って歩くことは、僕にはできません。
将来に向ってつまづく事、これは僕には出来ます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいる事です。
なんて、絶望的なんでしょう。。。
ネガティブな性格とか、自分は根暗などと言っているレベルではないですよね。。
じっくり読むと、なんら難しい言葉や文脈も一切ありません。
ほんっとに、ごく普通の言葉です。
でも、これは、世の他の人には生み出せないとてつもない表現力です。
カフカの生きた環境が、きっとこの一文を生み出したのだと思います。
翻訳しております頭木さんの解説でなるほどと、感じる解説がありました。
悲しいときには悲しい音楽を
①まず最初は、悲しい音楽にひたる=アリストテレス「同質の原理」
②その後で、楽しい音楽を聴く=「異質への導道」ピュタゴラス
結構悲しいときほど、明るくなるような音楽を聴けばいいかなぁと思ってましたが、
「同質の原理」でいくべきなんですね。
泣けるほど悲しい音楽を聴く。
そして、その後、「異質への導道」
めちゃハイテンションな音楽を聴く。
これですね。
カフカほど、ワタクシはこれまでまだまだ40年の人生ですが、
「絶望」した事はありません。
しかし、これからどうなるかはわかりません。
そんな時は、このカフカの「人生論」を再読して、自分を励ましていきたいなと思います。
それでは。
- 作者: フランツカフカ,Franz Kafka,中井正文
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/06/23
- メディア: 文庫
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